tender dragon Ⅱ
「ふざけんじゃねぇよ!」
悲しそうで泣きそうで、困ったように笑うと、すぐに目を反らされる。
「葉太の判断ミスだよ。」
「は…?」
「俺は美波のこと幸せにしてやれない。」
そんなことないよ。
あたし、希龍くんの傍にいられるだけで十分幸せなんだから。
「…何があったのかちゃんと説明しろよ…」
さらに掌に力を込めて、うつ向いてしまった葉太は苦しそうだった。
それなのに、希龍くんは何も言わずに葉太の横を通りすぎようとする。
「待てよ!」
何で葉太にも話さないの?
今までずっと一緒にやってきた友達なのに、話せないようなことがあるの?
…どうして、そんなに悲しそうなの…?
「ちゃんと説明しろって!」
そう言って再び希龍くんの腕を掴んだ。
今度は振り払うことはなかったけど、とても冷たい目で葉太を見てた。
葉太に向けられているものじゃないみたいに。