tender dragon Ⅱ
「バーカ、んなこと気にすんな。」
「でも…」
「俺言ったよな。」
希龍くんが
"俺のことは忘れて"
って言ってるように聞こえて、耳を塞ぎたくなった。
「手伝ってやるって。まだ何も伝えてないうちから諦めんな。」
"まだ何も伝えてない"
そう。まだ何一つ伝えられたことはない。
「…ほんとに、いいの?」
何度も助けてくれた彼を、今度はあたしが助ける番なんだよね。
「あぁ、手伝ってやる。」
彼が壊れてしまう前に、あたしが何とかする。
拒絶されたって構わない。
ただ、気持ちを伝える。
……たった、それだけのこと。