tender dragon Ⅱ

何となくそんな気はしていた。

希龍くんと芽衣と幼馴染みなんだから、当然蒼空くんとも幼馴染みなわけで。


「結衣…」

「結衣のこと知ってんの?」

蒼空くんが言っていたことが、すべて結衣に当てはまってるんだから、もっと早く気づくべきだった。


「…うん、知ってるよ」

あたしのその言葉に、蒼空くんは驚いたようにあたしを見て、「何で?」と聞く。


「…あたしが、最後に結衣と一緒にいたの…」

「美波が?」

わけが分からないとでも言うかのような表情であたしを見つめて、少しして思い出したように呟いた。


「もしかして…」

聞いてたんだ。

当然と言えば当然のこと。

彼氏である蒼空くんに話してないわけがない。

結衣のことだから、きっと嬉しそうにあたしのことを話してたんだろうな…

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