tender dragon Ⅱ
「何で。」
「…だって、あたしが行っても邪魔なだけだし…行く意味がないでしょ?」
なんて言うと、蒼空くんは呆れたようにため息をついてあたしにデコピンをした。
「いたっ…」
「安田の家に行くのに理由がいるのかよ。つーか、理由はちゃんとあるだろ。」
「理由?」
「希龍が何してんのか、知りたいから安田の家に行く。それでいいじゃん。」
たしかに知りたいけれど。
「自分の家に帰ったって何も変わんねぇだろ。」
「そうだけどー…」
「拒否権なし。行くぞ。」
あたしがいってもいいの?
なんて思ってるうちに、あたしの腕は蒼空くんにグイグイ引っ張られていた。