tender dragon Ⅱ
「学校、楽しいですか?」
「うん、楽しいよ。」
きっと無意識なんだろうけど、あたしが退屈しないようにずっと話しかけてくれる。
「春斗は、楽しい?」
初めて会ったときよりも、背が伸びた。
顔つきだって、大人っぽくなった。
みんな少しずつ大人になっていく。
それはあたしも同じはずなのに、いつも余裕がないのはあたしだけ。
「あー、まぁ、楽しいですけど。」
「何それ、微妙な反応だね。」
春斗のことだから友達もいっぱいいて、クラスだって楽しいはずなのに。
「俺一応幹部ですからね、やっぱりちょっと距離あるっていうか。仕方ないことなんですけどね。」
少し寂しそうにうつ向いた。
そういえば、タケくんが言ってたっけ。
タメで幹部なんて、みんなが尊敬しないわけないんだから。尊敬してるからこその距離感があるのは当たり前。
「寂しい?」
「…まぁ、少しだけ。」
「そっか。あのね、タケくんが言ってたよ。みんな春斗のこと尊敬してるって。」