tender dragon Ⅱ
再会
彼との再会は変わらない毎日に突然訪れた大きな変化だった。
「川原?」
安田さんの家へ向かう途中のあたしを呼び止めたのは、見覚えのある男の子。
あのときのことや思いが甦る。
「…難波くん…」
そこにいたのは、あのときよりも少し大人びた難波くんだった。
「あ…久しぶりだな」
会ったのは中学を卒業して以来。
「そうだね…」
嫌いなわけじゃない。
ただ、結衣が死んでから難波くん自身も罪悪感を感じているようで、話しかけてこなかったし、あたしも話しかけなかった。
結衣が死んだことと難波くんは何の関係もないのに、どこか気まずくて会うことを避けてた。
「…元気そうだな。」
「うん…、難波くんも元気そうだね。」
背はあたしよりも遥かに高くなった。
部活をやってるみたいで色だって黒くなったし、体つきだって男らしくなった。