tender dragon Ⅱ
「…ちょっと時間ある?」
「え?」
「話したいんだ。」
悲しそうに笑って、「ダメかな?」なんて言ってあたしを見つめる。
そんな難波くんを見て断れるはずもなくて。
「大丈夫、話そっか…」
頷いてしまった。
難波くんが嬉しそうに笑うところを見ると、断らなくてよかった、なんて思ってしまう自分がいる。
何を話すつもりなんだろう。
久しぶりに会ったから、話そうと思っただけ?
それとも、結衣の話でもするつもり?
どっちにせよ、気まずいことに変わりはない。中学のあのころとは違う。
それは難波くんも分かってるはずなのにな…
「じゃあ、あそこのカフェでいい?」
……寄りによって…
「…川原?」
「あ…ううん、大丈夫。入ろっか。」