tender dragon Ⅱ
「…いや、聞いてみただけ。」
「そっか。難波くんはスポーツ推薦だったよね?学校楽しい?」
「楽しいよ。」
元気そうでよかった。
ほんとに楽しそうに笑う難波くんを見てると安心した。
「あ、俺もうすぐ引退するんだ。よかったら川原、見に来ない?」
「え?」
「嫌ならいいんだけどさ。」
そういえば、中学の時も難波くんは積極的だった。誰から見ても分かるくらいに。
好かれていて嫌な気はしない。
むしろ嬉しいことなんだけど、今のあたしにそんなことを考える余裕はない。
「…嫌じゃないよ、見に行く。」
「まじで!よっしゃ、じゃあ俺絶対勝つから!」
難波くんが結衣のことを気にしてることが、痛いくらいに分かるから、断るわけにもいかなかった。