tender dragon Ⅱ
「すいません、遅れて。誰にも会わなかったですか?」
「会ってないけど、何で?」
春斗と学校帰りにさくら公園で待ち合わせるのはいつぶりだっけ?
「いえ、何でもないです。」
どうして最近、こんなにも警戒して動いてるんだろう。
……何かあったのかな。
何かあったのだとしたら、土曜に1人で出かけるのはマズイんじゃないの?
「…ねぇ春斗、土曜って予定ある…?」
カチッと音がした。春斗はもうあたし専用みたいになったヘルメットを被せてくれた。
春斗なら…いいかな?
「土曜っすか?………あ…」
何かを思い出したようで、困ったように笑うとあたしから目を反らした。
「土曜はちょっと…」
「そうだよね、休日だし予定ぐらいあるよね…急にごめん。」