tender dragon Ⅱ

春斗に甘えすぎ。

春斗だって難波くんのことを知らないのに、知らない人の引退試合見たって面白くないよね。


「あ、いやっ…土曜は病院に…」

「病院?」


……あ、そういえば…

春斗は月に一回通院するように言われてるって、蒼空くんが言ってた。

きっとあのときの怪我のことで。


「すいません、もう必要ないと思うんですけど、芽衣と安田さんが行けってうるさくて…」

「それは行かなきゃダメだよ。大した用事でもないから、春斗はちゃんと病院に行ってね?」

「…はーい。」

しぶしぶながらも頷いて、エンジンをかけた。


初めて会ったあのときよりも、春斗の背中はずっとずっと大きくなっていた。

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