tender dragon Ⅱ
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「おー美波!おかえり!」
学校帰りだっていうのに、葉太のテンションは朝と変わらないくらい高い。
「ただいまっ」
「葉太さん、蒼空は?」
いつもいる蒼空くんの姿がない、なんて思ってると、葉太はお風呂場を指差した。
「風呂っすか?」
「おう、汗かいたって。誰と遊んできたのか知らねぇけど、制服泥まみれだったし。」
男子高校生が制服泥まみれって、ほんとに誰と遊んできたんだろう。
―ガチャ…
「あ…」
噂してた等の本人は、まるで見計らったかのようなタイミングでお風呂場から出てきた。
バッチリ目が合う。
そして気づいた。
「美波帰ってたんだ。」
「そ、蒼空くん!?」
上半身裸の蒼空くんが、タオルで頭を拭きながらあたしに笑いかける。
「今日何作るの?」
当たり前みたいに近づいてくるから、どこに目をやっていいのか分からなくなって、思いっきり目を反らした。