tender dragon Ⅱ

「蒼空くんっ、服!」

この様子だと気づいてない。

等の本人はキョトンとして更に近づいてくる。

「何?」

少し前まで中学生だったとは思えない。

ちゃんと男の子なんだなぁ。腹筋は割れてるし、肩幅だって女子とは違う。


「ふ、服を着てください…」

「服?あぁ、ごめん。」

「蒼空、これ着とけ。」


ワイシャツが葉太の方から飛んできて、蒼空くんはそれを着た。

蒼空くんが着ても少し大きいってことは、きっと葉太のワイシャツなんだろう。


…それにしても……緊張した…

蒼空くんじゃないみたいだった。


「美波真っ赤。」

「もうっ、からかわないでよー」

「蒼空、美波さんいじめんなって。」

葉太と春斗は呆れたように笑って、蒼空くんの頭を小突く。

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