tender dragon Ⅱ

「サッカー観戦ってデートじゃねぇの?」

……そうなの?

蒼空くんが言うように、サッカー観戦はデートなのかもしれない。

あれ、じゃああたし蒼空くんとデートするの?


「まぁ何でもいいけどさ、腹へった。美波何か作って。」

「蒼空さっきパン食ってただろ。」


葉太はまた呆れたように笑って、リビングのソファに勢いよく座った。

随分疲れてるみたい。


「美波さん、俺手伝います!」

「うん、ありがとっ」

キッチンではいつものように春斗が隣に立って手伝ってくれる。

蒼空くんはその様子を見て、葉太がいるソファにダイブした。


蒼空くんが一緒にいれば、難波くんもこんな風に連絡してこなくなるかもしれない。

そうなれば、お互いのためにも一番いいんじゃないか、なんて考えてしまうあたしはやっぱりズルい人間だ。

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