tender dragon Ⅱ
「…そっか。そうだよな、さすがに高校離れると無理だよなー。当たり前のことだし、川原が謝ることじゃない。」
「…ううん、何となく分かってたから、最初からサッカー見に来るのも断るべきだったかなって。」
断る勇気もないダメ人間だから。
ごめんね、傷つけて。
「それは関係ねぇよ。見に来てくれてよかった、ありがとな。」
どこまでも優しい彼は、そう言うとあたしの背中を押して「じゃあな」と言った。
あたしが自分を責めないように。
どうして自分を好きになってくれる人を好きになれないんだろう。
…どうして希龍くんじゃなきゃダメなんだろう。