The endless world
ぱちっ
木目の並ぶ天井が目の前に広がっている
(ここ…どこだろ?)
「気付かれましたか?」
ポニーテールの私と同じくらいの子が隣にいて訪ねてきた。
「助けてくれたのか?ありがとう。」
「宝珠様(ほうじゅさま)が助けてなかったら危ないところでした。」
「ほうじゅさま?」
「呼んだか?」
「わっ!!」
「川原に流れ着いていたのをこのふたりが助けて来たんだよ。」
「呼吸をしていなかったんです、体は大丈夫ですか?」
ボブスタイルの子がポニーテールの子の隣から現れる。
「大丈夫だよ、ありがとう。ところでここは?」
「人間がここに来るなんてなかなかないことだ、珍しい。お前の名は?」
「依部 初夢だ。あなた達は…?」
「私は水裳(みなも)、こちらが潮目(しおめ)、そしてこちらの方が宝珠様です。」
「そちらの世界では貴船の祭神とか言われているな。」
「宝珠様は龍神です。わかり易く言えば水の神様です。」
「ここは、日本じゃない…のか?」
「ここは貴方たちの反対の世界のひとつ、映世見(うつせみ)と言う神の世界です。」
「もといた世界から何でいらしたのかはわかりませんが、しばらくは安静になさっていた方がいいかと」
「神の世界?嘘だろ、胡散臭い。」
「ならこれを見るか?潮目」
「はい」
潮目と呼ばれた彼女が突然光に包まれる。
「蛇!!」
『おわかりいただけましたか?』