The endless world



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ぽくぽくぽく


「何妙法蓮華…」


「初夢さんは死んでないんだよね?」


こそこそと葬儀の行われる中、桜良が俺に囁く。


それを聞いて明は複雑そうな顔を作る。


あれから3週間、警察は徹底して川に流された初夢の身体を探すも見つからず、葬儀だけが行われる事となった。


「明、親にどう説明するんだよ?
不思議な体験したのは俺たちだけだし、説明しように難しいぞ?」


「一応、初夢の爺さんには話はしてある。頃合いを見計らって両親に話す手はずだ。」


「初夢の爺さんとは長い付き合いだったっけか?」



「あぁ、両親が共働きでなかなか帰らないから今は初夢は爺さんの所から高校に通ってたんだ。」



「へぇ、所でここは大丈夫なのか?鬼とか…」



「ここには入れないよう結界を張ったから大丈夫だ。」



「正宗、桜良、次お前たちだぞ?」



「はい、今行きます!」



剣道部の純白先輩と清香先輩に促される。



「なんだ?その刀、何かの護身用か?」



「あぁ…これは初夢の形見です。」



「そんなにお前ら初夢と仲良かったのか?」



「えぇ、まぁ…」



「そうか、こんな事になって嫌だよな。部活は廃部だろうし…」



「そのとなりの彼は誰だ?」



「初夢の幼馴染みの明君です。」



「どうも、初夢が短いながらお世話になりました。」



「いやいやそんな丁寧に、お悔やみ申し上げます。」



「そろそろ帰るぞ?清香。」


「んじゃ、またな。部活の事は明日生徒会長から通達が有るから。」



「はい、気をつけて。」



「最近物騒だからお前らも早く帰れよな?ニュースでも通り魔報道されてるだろ?」


「通り魔…ね」


「気をつけます。」


そう言うと部長と副部長は帰っていった。






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