この空の下で風は唄う
††††††††††††††††††††
数学は嫌い。
わけのわかんない図とか、頭が痛くなる数字の列とか。
私は面倒くさくなって、先生の話を聞くのをやめた。
そして、目だけで、窓際の風の席を見つめた。
風は綺麗。
学校では色んな女の子にとっても人気があるけど、影では男の子にも人気があるの、私は知ってる。
柔らかそうなゆるふわのくせっ毛がよく似合ってる。
私の自慢のお姉ちゃん。
けど……
(料理も出来ない、朝も起きれない、勉強も出来なければ、運動音痴……)
そう、七海ちゃんの言った通りだ。
それに比べて、私には何にもない。
どうしてかな、双子なのにこんなに違うの。神様は本当に不公平だ。
「そんなに俺の授業は面白くないか、尾崎妹」
この独特な呼び方に、寒気がした。
目だけでよそ見してたはずが、いつの間にかバレバレな動作になっていたようだ。
「じゃあ余裕そうな、尾崎妹。この問題」
蛇みたいに怖い顔をした先生に当てられた。この先生も苦手だから数学も苦手なんだと一人で納得した。
泣きたい気持ちを抑えて黒板に来たは良いが、全然わからない。
「こら、半べそかいてごまかせると思うな」
(別に嘘泣きじゃないよ、意地悪)
「……じゃあ、尾崎姉。お前がやれ」
ああ…また風と比べられるのかと、本格的に悲しくなってきた時に、風が言った。
「いえセンセ、出来ますよ。空は」
戸惑う私に微笑みながら、風も、黒板にやってきた。
数学は嫌い。
わけのわかんない図とか、頭が痛くなる数字の列とか。
私は面倒くさくなって、先生の話を聞くのをやめた。
そして、目だけで、窓際の風の席を見つめた。
風は綺麗。
学校では色んな女の子にとっても人気があるけど、影では男の子にも人気があるの、私は知ってる。
柔らかそうなゆるふわのくせっ毛がよく似合ってる。
私の自慢のお姉ちゃん。
けど……
(料理も出来ない、朝も起きれない、勉強も出来なければ、運動音痴……)
そう、七海ちゃんの言った通りだ。
それに比べて、私には何にもない。
どうしてかな、双子なのにこんなに違うの。神様は本当に不公平だ。
「そんなに俺の授業は面白くないか、尾崎妹」
この独特な呼び方に、寒気がした。
目だけでよそ見してたはずが、いつの間にかバレバレな動作になっていたようだ。
「じゃあ余裕そうな、尾崎妹。この問題」
蛇みたいに怖い顔をした先生に当てられた。この先生も苦手だから数学も苦手なんだと一人で納得した。
泣きたい気持ちを抑えて黒板に来たは良いが、全然わからない。
「こら、半べそかいてごまかせると思うな」
(別に嘘泣きじゃないよ、意地悪)
「……じゃあ、尾崎姉。お前がやれ」
ああ…また風と比べられるのかと、本格的に悲しくなってきた時に、風が言った。
「いえセンセ、出来ますよ。空は」
戸惑う私に微笑みながら、風も、黒板にやってきた。