この空の下で風は唄う
「いい?空。あたしは手伝うだけだから」
教室中が、私たちに注目しているのがわかって、緊張してしまう。
「大丈夫。出来るよ」
だけど不思議。いつだって、風の「大丈夫」を聞くと、本当に大丈夫な気がしてくる。
風が私にくれる、魔法の言葉。
「うん……」
「いい?まずこっちの式を計算してみて」
教室中が静かで、風の声と、私が黒板に書くチョークの音だけが響いてる。
「そう……それでこの式を、ここに……」
不思議とチョークは止まらずに、答えに向かって進んでいく。
そして……
「出来たっ」
私が、思わず声を上げた。教室が、急にざわめいた。
「やるじゃん空〜」
「やればできんじゃん」
「風もさすが〜!」
クラスメートに誉められて、私は照れて赤面した。風も、隣で笑っている。
怖い先生まで笑っていて、なんだか嬉しくなった。
「全く、俺の授業で姉妹の絆を発揮するな。ほら、席戻っていいぞ」
風が私の背中をぽんと押して、口ぱくで言った。
<やったね>
私も口ぱくで返した。
<ありがとう>
風は微笑んで席に座った。
カリスマ性。
頭に思い浮かんだ。さっき七海が誉めていた事。
クラス中が、風と私を見つめていた。
その世界を作り出したのは、きっと風だった。
私のお姉ちゃんは、本当は私が思っていたよりずっと凄い人なのかもしれない。
今度は純粋に、誇らしく思って、授業を聞くことにした。
教室中が、私たちに注目しているのがわかって、緊張してしまう。
「大丈夫。出来るよ」
だけど不思議。いつだって、風の「大丈夫」を聞くと、本当に大丈夫な気がしてくる。
風が私にくれる、魔法の言葉。
「うん……」
「いい?まずこっちの式を計算してみて」
教室中が静かで、風の声と、私が黒板に書くチョークの音だけが響いてる。
「そう……それでこの式を、ここに……」
不思議とチョークは止まらずに、答えに向かって進んでいく。
そして……
「出来たっ」
私が、思わず声を上げた。教室が、急にざわめいた。
「やるじゃん空〜」
「やればできんじゃん」
「風もさすが〜!」
クラスメートに誉められて、私は照れて赤面した。風も、隣で笑っている。
怖い先生まで笑っていて、なんだか嬉しくなった。
「全く、俺の授業で姉妹の絆を発揮するな。ほら、席戻っていいぞ」
風が私の背中をぽんと押して、口ぱくで言った。
<やったね>
私も口ぱくで返した。
<ありがとう>
風は微笑んで席に座った。
カリスマ性。
頭に思い浮かんだ。さっき七海が誉めていた事。
クラス中が、風と私を見つめていた。
その世界を作り出したのは、きっと風だった。
私のお姉ちゃんは、本当は私が思っていたよりずっと凄い人なのかもしれない。
今度は純粋に、誇らしく思って、授業を聞くことにした。