この空の下で風は唄う
そんなある日。
学校に、私と風は二人で登校してきた。
教室に入って、私は忘れ物に気付いた。
今日までの作文の宿題。
私が探している事に、風はすぐに気がついてくれた。
「空。忘れ物?」
私が頷くとふっと笑った。
風は、綺麗だ。肩までのびた少し茶色っぽい、軽いクセのかかった髪の毛が揺れる。表情も大人っぽくてとても同い年には見えない。
「一緒に取りに行こ」
「うんっ」
一緒に。
その一言で不安が消え去る。双子の姉である風の存在はそれくらい私に絶対的安心を与えてくれる。
二人で学校から家に戻る途中、幼なじみの竜太くんと洋平くんに会った。
「忘れ物かよー」
私は恥ずかしくなって黙りこんだ。すると風が
「ウチら双子だから忘れ物も一緒なの!」
と、竜太くんに向かって舌をだした。
竜太くんは何故か悔しそうな顔をする。
洋平くんがそれを見て笑った。
「二人とも早く行っておいで。遅刻するよ」
私と風はまた走りだす。
途中、私は疲れて走れなくなった。
走らなければ遅刻する。
それは私にもわかっていた。だけど
「空の歩ける早さで行こう」
風が言ってくれた。
私は申し訳なくなりながらも、それに甘えた。
遅刻しても、風と一緒なら……そう思えた。
宿題を持ってすぐに学校に戻った。
学校に、私と風は二人で登校してきた。
教室に入って、私は忘れ物に気付いた。
今日までの作文の宿題。
私が探している事に、風はすぐに気がついてくれた。
「空。忘れ物?」
私が頷くとふっと笑った。
風は、綺麗だ。肩までのびた少し茶色っぽい、軽いクセのかかった髪の毛が揺れる。表情も大人っぽくてとても同い年には見えない。
「一緒に取りに行こ」
「うんっ」
一緒に。
その一言で不安が消え去る。双子の姉である風の存在はそれくらい私に絶対的安心を与えてくれる。
二人で学校から家に戻る途中、幼なじみの竜太くんと洋平くんに会った。
「忘れ物かよー」
私は恥ずかしくなって黙りこんだ。すると風が
「ウチら双子だから忘れ物も一緒なの!」
と、竜太くんに向かって舌をだした。
竜太くんは何故か悔しそうな顔をする。
洋平くんがそれを見て笑った。
「二人とも早く行っておいで。遅刻するよ」
私と風はまた走りだす。
途中、私は疲れて走れなくなった。
走らなければ遅刻する。
それは私にもわかっていた。だけど
「空の歩ける早さで行こう」
風が言ってくれた。
私は申し訳なくなりながらも、それに甘えた。
遅刻しても、風と一緒なら……そう思えた。
宿題を持ってすぐに学校に戻った。