この空の下で風は唄う
私の頭にはしばらく、
先生の言葉が
焼き付いていた。
そして毎日
相変わらず頼りになる
風を見るたびに
自分が嫌になった。
そして数日がたった。
その日、
風は風邪をひいて熱を出した。
お母さんは仕事を休み、
朝からずっと風の看病をしていた。
風が休むので私は一人で学校に行くことになった。
「忘れ物、ない?」
風が、わざわざ熱のある体で玄関まで来て聞いた。
「大丈夫。風は早くよくなってね」
私が風に笑いかけると
風も安心したように微笑んだ。正直、風がいないのは不安だ。だけど熱があるときくらいゆっくり休んでほしいから。
そして私は、学校に行って後悔する。いれたはずの宿題がない。
また、先生に怒られるのは嫌だ。だけどひとりで取りに帰る勇気もない。
私が、どうするかいつまでも悩んでいるうちにチャイムが鳴ってしまった。
結局、
その日は散々だった。
結果的に先生は私が宿題を忘れたのに気がついても呆れた顔をするだけだった。授業で問題を当てられても緊張で答えることができず先生にため息をつかれた。
私はとても惨めになり、いつもなら友達と楽しくおしゃべりする昼休みもひとりで過ごした。
たまに竜太くんが話しかけてくれなければずっと黙っていただろう。
帰り道、悔しさと悲しさでいっぱいの体をひきずるように私は家に帰ってきた。
「おかえり」
お母さんと風が私を出迎えた。
「風、すっかりよくなったのよ。もう明日から学校に行けるわ」
「……そう……」
私が小さく返事すると
「ねぇ空。風から聞いたのだけどこないだ先生に叱られたんですって?なにかあったの?風も心配……」
お母さんがそこまで言ったところで私の頭がカッと熱くなった。そして
「なによみんなして風のことばっかり! お母さんだって……」
声に驚いたように風が部屋から出てきたが私は止まらなかった。
「お母さんだって子供は風だけでよかったんでしょ!!」
風とお母さんが一瞬ひどく驚いた顔をして
「空。謝りなさい」
お母さんではなく、静かにそう言った風の顔は怒っていた。
私はたまらず玄関に向かって走りだし、家を飛び出した。
先生の言葉が
焼き付いていた。
そして毎日
相変わらず頼りになる
風を見るたびに
自分が嫌になった。
そして数日がたった。
その日、
風は風邪をひいて熱を出した。
お母さんは仕事を休み、
朝からずっと風の看病をしていた。
風が休むので私は一人で学校に行くことになった。
「忘れ物、ない?」
風が、わざわざ熱のある体で玄関まで来て聞いた。
「大丈夫。風は早くよくなってね」
私が風に笑いかけると
風も安心したように微笑んだ。正直、風がいないのは不安だ。だけど熱があるときくらいゆっくり休んでほしいから。
そして私は、学校に行って後悔する。いれたはずの宿題がない。
また、先生に怒られるのは嫌だ。だけどひとりで取りに帰る勇気もない。
私が、どうするかいつまでも悩んでいるうちにチャイムが鳴ってしまった。
結局、
その日は散々だった。
結果的に先生は私が宿題を忘れたのに気がついても呆れた顔をするだけだった。授業で問題を当てられても緊張で答えることができず先生にため息をつかれた。
私はとても惨めになり、いつもなら友達と楽しくおしゃべりする昼休みもひとりで過ごした。
たまに竜太くんが話しかけてくれなければずっと黙っていただろう。
帰り道、悔しさと悲しさでいっぱいの体をひきずるように私は家に帰ってきた。
「おかえり」
お母さんと風が私を出迎えた。
「風、すっかりよくなったのよ。もう明日から学校に行けるわ」
「……そう……」
私が小さく返事すると
「ねぇ空。風から聞いたのだけどこないだ先生に叱られたんですって?なにかあったの?風も心配……」
お母さんがそこまで言ったところで私の頭がカッと熱くなった。そして
「なによみんなして風のことばっかり! お母さんだって……」
声に驚いたように風が部屋から出てきたが私は止まらなかった。
「お母さんだって子供は風だけでよかったんでしょ!!」
風とお母さんが一瞬ひどく驚いた顔をして
「空。謝りなさい」
お母さんではなく、静かにそう言った風の顔は怒っていた。
私はたまらず玄関に向かって走りだし、家を飛び出した。