この空の下で風は唄う
「風……?」
濡れた服が重くペッタリと張り付いてくる。
起き上がって見たのは、心配そうに私を見つめる風の姿。
「なんで……? 風……っ」
「空がっ……」
心配そうな顔に少しだけ怒った表情を浮かべて
「空があんなこと、言うから」
雨が小降りになってた。
小さな遊具の中で、私たちの間に沈黙が流れた。
「あんなことを言うと、お母さんが悲しむよ」
先程言った言葉を思い出しまた俯く。
私は
「風になりたい……」
先程夢の中の幼い風に言われた言葉と、全く真逆のことを呟く。
「空はまだ何もわかっていないだけだよ」
私よりも更に弱々しい風の声に私は思わず顔をあげる。
パジャマ姿に、カーディガンを羽織っただけの風。
風邪ひいてたはずなのに。
私を探す為だけに無理して来てくれたの?
「……っ……風っ……」
ああ。もうダメだと思った瞬間泣いてしまった。
風は静かに私の頭を撫でる。
「お母さんにごめんなさいしよう。あたしもお母さんも空が好きだよ。だから空は空じゃなくちゃいけないの」
私は何度も頷いた。
「ごめんなさい……」
ふわりと、風は微笑んだ。
「空が何度泣こうと、どんな場所にいようとかならずあたしが迎えに行くから」
そうだよね。
風はいつも迎えに来てくれるもん。
私は……私は風が大好きなんだ。
「風……。大好きぃ」
空は晴れていた。
私たちは歩き出した。
風に手をひかれながら
ゆっくりと歩く。
「かならず守ってあげるから、空は笑ってなよ」
前を向いたまま言った風の手を、私は強く握り返した。
せめてもう少し
強くなろう。
風が心配しないように
いつでも微笑んでいられますように。
これが
変わることのない
二人の約束。
濡れた服が重くペッタリと張り付いてくる。
起き上がって見たのは、心配そうに私を見つめる風の姿。
「なんで……? 風……っ」
「空がっ……」
心配そうな顔に少しだけ怒った表情を浮かべて
「空があんなこと、言うから」
雨が小降りになってた。
小さな遊具の中で、私たちの間に沈黙が流れた。
「あんなことを言うと、お母さんが悲しむよ」
先程言った言葉を思い出しまた俯く。
私は
「風になりたい……」
先程夢の中の幼い風に言われた言葉と、全く真逆のことを呟く。
「空はまだ何もわかっていないだけだよ」
私よりも更に弱々しい風の声に私は思わず顔をあげる。
パジャマ姿に、カーディガンを羽織っただけの風。
風邪ひいてたはずなのに。
私を探す為だけに無理して来てくれたの?
「……っ……風っ……」
ああ。もうダメだと思った瞬間泣いてしまった。
風は静かに私の頭を撫でる。
「お母さんにごめんなさいしよう。あたしもお母さんも空が好きだよ。だから空は空じゃなくちゃいけないの」
私は何度も頷いた。
「ごめんなさい……」
ふわりと、風は微笑んだ。
「空が何度泣こうと、どんな場所にいようとかならずあたしが迎えに行くから」
そうだよね。
風はいつも迎えに来てくれるもん。
私は……私は風が大好きなんだ。
「風……。大好きぃ」
空は晴れていた。
私たちは歩き出した。
風に手をひかれながら
ゆっくりと歩く。
「かならず守ってあげるから、空は笑ってなよ」
前を向いたまま言った風の手を、私は強く握り返した。
せめてもう少し
強くなろう。
風が心配しないように
いつでも微笑んでいられますように。
これが
変わることのない
二人の約束。