chocolate cafe

 ももがそんな、
 難しいことを考えてると....

 悠くんはニコッと笑った後、
 驚くべきことを口にした。


「もも、これからもよろしくな。
 しばらくの間、一緒に住むことに
 なるんだし、仲が悪かったら
 面倒だろ?つーわけで頼むな」

 悠くんは軽くそう言って、
 ももの部屋から出て行った。

 
 ..ももには意味がさっぱり分からぬ。

 お兄ちゃんになる
 というのはおかしいし....
 [さっきのこととか........]

 じゃあ、どういうことだ?

 悠くんの通ってる高校が都会に
 あるから、春休みの間だけ?

 
 でもそれじゃ、全然しばらく
 なんかじゃないし....

 もう!どういうことか分かんない!!


 直接悠くんに聞く!!!

 その方がずっと簡単で単純で楽だ。


 よし、そうと決まったら
 悠くんを見つけなきゃ!!


 そう思い、ドアを開けた。

 すると、昔、お兄ちゃんが使ってた
 部屋からかすかに物音がしたのだ。

 お兄ちゃんは仕事があって、
 彼女がいるから部屋借りて
 暮らしてるし、
 この時間は仕事のはずだから
 お兄ちゃんのはずがない。

 不思議に思って、
 そっとドアを開けてみた。




 すると、そこには悠くんがいた。

 しかも、荷物まみれの。


 悠くんに話を聞くと、
 こういうことらしい。

 悠くんの両親の仕事が転勤になって
 またこの町に戻ってくることに
 なったらしいのだけど、
 悠くんを都会に放って置いていく
 わけにもいかないので、
 やむを得ず、高校を転校することに
 したそうなのだ。

 で、意外と陽くんはこの町に
 帰ることを嫌がっておらず、
 むしろ、喜んでいるようだった。


 都会の高校に未練はないのかな....?



 だって、二年も通った高校だよ?
 友達とか好きな人とか....

 いたっておかしくないのに。


 普通は寂しいはずなのに......





 ...我慢してるのかな?


 そうは思ったけど、
 少し違うように見えた。

 悠くんにとってはここの方が
 大切なのかもしれない。
 
 ここで過ごすことの方が
 好きなのかもしれない。

 ここに悠くんの大切な人が....
 大好きな人がいるのかもしれないな......








 

 
  
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