chocolate cafe

 そして、そのまま悠くんの顔が
 近づいてきたかと思ったら、
 いきなり目を閉じて 
 唇も、ももに近づいてきた。

 何が起ころうとしているかの
 現実味が湧いてきて
 途端に恥ずかしさが込み上げてきた。


 どうにかしなきゃと
 両手で口を塞ごうとしたのに..
 その両手はあっけなく捕まって
 悠くんの両手で拘束されてしまった。


 
 それでもどうにかこうにかと
 顔を横に逸らすと、
 ベッドに押し倒されてしまった。

 状況は変わったけど、
 悪い方向に変わったしまっていた。


 手は拘束されていて
 脚も塞がれているから
 逃れることなど出来るはずがない。

 
 悠くんじゃないみたいだ。

 
 悠くんはこんなに力は強くないし、
 こんなこと絶対にしない。


 ..いや、“かった”かな。



 それはあくまで昔の悠くんのことで
 今の悠くんのことは知らない。




 そんなことを考えているうちに、
 唇と唇は重なっていた。

 初めて感じる感触。
 

 柔らかくて少し湿っていて
 熱を帯びているものが触れている。

 そして、チュッとリップ音を
 鳴らして、唇が離れたかと思うと
 また触れてきて...


 いきなり、唇を舐められて
 ももはビクついてしまっていた。

 何度も舐められて
 口の中にそれを入れられそうに
 なってしまうから堅く口を結んで
 それを入れられないように
 力を振り絞っていた。


 けれど、何度もキスをされたり
 唇を舐められたりするうちに
 その力はだんだん弱っていって
 最後には口を開けてしまった。

 
 そのガードのなくなった口に
 容赦なく舌を侵入させてきた。

 舌を舐められたり絡められたり
 吸われたりされて、
 ももはふにゃふにゃになっていた。


 悠くんの舌の感触が
 ものすごく感じられて
 ぽえぽえにもなっていた。


 変な感じで、
 口の中だけでなく身体が
 とろけてしまいそうな感覚に
 陥ってしまっていたんだ。





 ももはただただ、酔いしれていたんだ。


 悠くんがももをみて、
 ももに想いを寄せて
 こんなキスをしてくるんだと。
 
 このキスに感情はあるんだって
 そう、本気で信じてたんだ。

 疑うことなど微塵もなかった....


 
 

 
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