chocolate cafe

 ようやく唇を離してくれた悠くんは、
 ももの目がうるうるで
 泣きそうになっていることに気が付き 
 悠くんは謝ってきた。


「ももごめん。っほんとにごめん!」 

 そう言う悠くんは顔の前に
 手を合わせて必死だった。

 それでもももは悠くんをすぐには
 許すことが出来ずに、
 十分が経過してしまっていた。


 そのうちに悠くんは開き直ってきた。


「ずっと見つめてくる
 ももが悪いんだよ....
 それに、ももだってさ
 全然抵抗しなかったじゃんか....」

 悠くんの言葉に少し、戸惑った。

 
 ももは悠くんのキスを気持ち良いと
 思ってしまっていたから、
 悠くんの言葉に、すぐには、
 違うって言えなかった。

 けど、少ししてから、
 ちゃんと違うって言えたんだ。

 
 でも、あまりにもはっきりと
 ちゃんと違う言い切ってしまったから
 悠くんがもの凄く落ち込んでいた。

 男としてのプライドが........
 とかなんとか言って、
 泣きそうになってた....

 泣きたいのはこっちの方なのに.....

 けど、そんなことでしょげてる
 悠くんがとても可愛くて
 慰めてあげたくなってしまった。

 ももは泣きそうな悠くんの頭を
 なでなでしてから
 悠くんの頭を包むようにして
 優しく抱き締めながら、
 言葉をかけてみた。


「悠くん。あのね....キスなんだけどね、
 ......別に、嫌じゃなかったよ........」

 そう言うと、悠くんは
 ももを見つめてきて、
 捨てられた子犬みたいな目をして
 上目遣いで問いかけてきた。


「....じゃあ、気持ち良かった?」

 なんて聞いてくるから、
 ももはうっかり素直に答えて
 しまったのだった....


「..ぅん。すごく、気持ち良かったよ....」

 そう言うと悠くんは満足気になって、
 そのまま寝てしまったのだ。

 ももの胸の中で。

 悠くんの顔はももの胸の中に埋まって
 悠くんの手はももの腰に
 巻き付いていて、
 身動きがうまくとれない状態だった。

 とにかく、風邪を引かないように
 布団をかけてあげた。


 悠くんは全然起きなくて
 とても困ってしまった....

 どうしたらいいか考えていると、
 悠くんの顔がもぞもぞと
 動きだして、胸にすり寄ってきて
 とてもこそばくて、恥ずかしい........

 そのうえ、今度は
 悠くんの手がもものお尻や太ももに
 触れてきて、身体がピクリと跳ねた。

 それでも、悠くんの手の動きは
 全然止まないし、
 怒りたくても寝てるし....
 と思っていたけど、

 悠くんの起こす方法を思い出した。


 それをやってみると、
 悠くんはすぐに起きた。

 悠くんは耳元で囁かれると
 起きるという体質らしいのだ。

 そして、起きてすぐに
 悠くんはももに触りまくってることに
 気付いて謝ってくれた。


 ももは新発売のお菓子と
 チョコレートで許してあげた。

 ポッキーの塩チョコ味と
 ポッキーのビターチョコ味と
 巨大ポッキーと塩チョコを
 お詫びに買ってもらったのだった....



 
  
 
 
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