【短編】君と出逢えたから

「マユ、待って!!」

急いで呼び止めるユミ。



「ん?」


「シンガポールってどういうことなの??」


あぁ、そこね?

アタシ、旬クンとのコトかと思ったよ。


「初めは東京とか聞いてたんだけど。」


「とっ、東京!?」

地方に住むあたし達にとっては 東京=都会 だから。

(当たり前か・・・)


「うん。でも、お父さんの会社の都合で・・・っと、あぁ、ごめん。」

お盆を直すマユ。


「で、シンガポール?!」


「みたいだよ。」


―――キーンコーン―――


「あっ、昼休み・・・」

時計に目をやるマユ。

「・・・」

ニヤニヤ笑うユミ。

「んっ!?何??」

「行けば?」

「WHERE??」

「分かるくせにぃ~!」

「ハァッ!?」

「旬クンのところ!」

いないって。
きっと。

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