星空の下で
『よう!大輔!元気?店はどう?』
『おう!恭一!誠!久しぶりだな!まあまあなんとかやってるよ。慶太郎が会社立ち上げたから店は俺任せだ』
『お前らすげーな!車だって高級車乗ってんじゃん!かなり儲かってんだろう!奢れよ!』
『たかるなら慶太郎にたかれ!あいつが経営者だ。実際回してるのは俺だけどな。あいつにコキ使われて大変だよ』
『大輔と慶太郎はそれだけ努力したんだろ。俺なんか親父の会社に籍置いてるぐらいで仕事もあんまり覚えようとしてねーし継げる気もしねーよ。俺が継いだら潰しちまいそうだ。まあ言ってもしょぼい小さな会社だからな。もう二十歳になるっつうのに親のすねかじってる俺とはやっぱ違うよ!』
『恭一!お前も真面目に仕事覚えて会社潰さねーようにしろよ。俺は努力してきたつもりだけど俺よりもっと慶太郎は努力してたぞ』
『そうだよな。ラクして金なんか得られないよなー!とりあえず二十歳の成人式は絶対に飲みに行こうな!今日は抜けられねーの?』
『無理だな。二店舗あるしいつも駆け回ってるよ。成人式は俺と慶太郎は参加しねーよ。終わってからの飲みぐらいはいいけど』
『はあ?なんで?ユズル達もみんな来るぜ』
『慶太郎が参加しねーんだ。だから俺もしない。お前らはちゃんと式に出てこいよ!終わったらみんなで飲もう!誠!悪いな。わかってくれ』
『あー。わかった!別に式出なくても俺達は成人を嫌でも迎えるからな。中学の卒業式を全員で出席出来たしそれだけで充分な想い出だ!あー俺も仕事ちゃんと探そう。恭一じゃねーけどバイトじゃ結局親のスネかじってんのと一緒だしな』
『あー。お前らも頑張れ!』
恭一、誠!お前らで俺と慶太郎の分まで式を楽しんで来い。慶太郎が参加しないと言う理由は俺にはわからねー。だけどそれなりの理由があってそう言ってる事だけはわかるんだ。あいつ1人だけ残して参加しても俺は嬉しくねーんだ。あーねむてー。とりあえず今月も目標達成だ。良かった。いつまでも順調だって保証はどこにもねーからな。そろそろ慶太郎が迎えに来るな。金庫は閉めたし鍵もOKだな。もう5時だぞ。あいつも現場で倒れるんじゃねーか。喧嘩はつえーけど体は弱いよな。好き嫌いのしすぎだ!坊っちゃん育ちだからよ。俺はこの頃免停を食らっていたから慶太郎と俺の時間が合えば慶太郎が迎えに来てくれていた。まあ俺だってあいつが免停食らってた時に送り迎えしてやってたからな。そして迎えにきた慶太郎の後部座席に乗ってる明らかにお供え用の花に気づいた俺は慶太郎のもう1人の親父の命日が今日である事を聞き挨拶をしたいと思い慶太郎と共に墓参りに向かったんだ。墓を見た俺は驚いた。墓に刻まれている名前は結城壮一郎。享年36歳。嘘だろ!ふざけんなよ!なんだよ!結城さんこれが神の計らいですか!俺はあなたにどれだけ逢いたかったと思ってるんすか。神の計らいをずっと待ち望んでいたんすよ!でもこんな偶然ってあるんですか?慶太郎のもう1人の大切な親父があなただったなんて。あの日水族館に俺を連れて行ってくれた日は本当なら遠くから姿だけでも見ようと予定していた日ですよ。俺が付き合ってやるって偉そうな事を言ったのにあなたは姿を見る事は出来ないからと言った。塾に遅くまで通わされてると。あなたが心配していた息子は慶太郎だったんですね。確かにあなたの言う通り遅くまで慶太郎は塾に行かされていたそうです。あなたと逢えない代わりにあなたの大切な息子と俺を逢わせてくれたんですね。これが神の計らい。俺は受け入れます。慶太郎は俺にとっても大切な存在になりました。あなたの代わりに俺が慶太郎を守ります。結城壮一郎さん!あなたに出逢えて良かったです。俺達二十歳になります。俺にも優しくしてくれてありがとうございました!あなたの宝を俺が絶対守りますよ!
『お疲れ!大輔!』
『おう!お疲れ!慶太郎!どうしたんだよ?呼び出してもねーのにお前が店に来るなんて珍しいじゃん』
『うん。そうっすね。大輔にも成人のプレゼント渡しておこうと思って。俺もさっき貰ったとこなんだ』
『あー。結城壮一郎さんだ。そうだ。この人だ。ありがとう!慶太郎!店に飾ってていいか?』
『あぁ。いいよ。おまけの俺が写ってるけどな』
『お前!かわいいな!こんな頃もあったんだな。慶太郎!俺もう一回泣いてもいいか?もうこれで泣かねーから!っく、うっく』
『あー。俺だって泣いてきたよ。大輔!壮ちゃんが見てるから頑張ろうな!』
『っく、うっく、おう!あたりめーじゃん!っく、うっく』
結城壮一郎さん!あなたに逢えた気がしました。慶太郎を通して俺はすでに逢っていたんすよね。ありがとうございました!さようなら!もう星空の下では語れませんが今度は俺が星空に向かって語りますね。あなたは俺達を見てるんすよね。見ていて下さい。
『おう!恭一!誠!久しぶりだな!まあまあなんとかやってるよ。慶太郎が会社立ち上げたから店は俺任せだ』
『お前らすげーな!車だって高級車乗ってんじゃん!かなり儲かってんだろう!奢れよ!』
『たかるなら慶太郎にたかれ!あいつが経営者だ。実際回してるのは俺だけどな。あいつにコキ使われて大変だよ』
『大輔と慶太郎はそれだけ努力したんだろ。俺なんか親父の会社に籍置いてるぐらいで仕事もあんまり覚えようとしてねーし継げる気もしねーよ。俺が継いだら潰しちまいそうだ。まあ言ってもしょぼい小さな会社だからな。もう二十歳になるっつうのに親のすねかじってる俺とはやっぱ違うよ!』
『恭一!お前も真面目に仕事覚えて会社潰さねーようにしろよ。俺は努力してきたつもりだけど俺よりもっと慶太郎は努力してたぞ』
『そうだよな。ラクして金なんか得られないよなー!とりあえず二十歳の成人式は絶対に飲みに行こうな!今日は抜けられねーの?』
『無理だな。二店舗あるしいつも駆け回ってるよ。成人式は俺と慶太郎は参加しねーよ。終わってからの飲みぐらいはいいけど』
『はあ?なんで?ユズル達もみんな来るぜ』
『慶太郎が参加しねーんだ。だから俺もしない。お前らはちゃんと式に出てこいよ!終わったらみんなで飲もう!誠!悪いな。わかってくれ』
『あー。わかった!別に式出なくても俺達は成人を嫌でも迎えるからな。中学の卒業式を全員で出席出来たしそれだけで充分な想い出だ!あー俺も仕事ちゃんと探そう。恭一じゃねーけどバイトじゃ結局親のスネかじってんのと一緒だしな』
『あー。お前らも頑張れ!』
恭一、誠!お前らで俺と慶太郎の分まで式を楽しんで来い。慶太郎が参加しないと言う理由は俺にはわからねー。だけどそれなりの理由があってそう言ってる事だけはわかるんだ。あいつ1人だけ残して参加しても俺は嬉しくねーんだ。あーねむてー。とりあえず今月も目標達成だ。良かった。いつまでも順調だって保証はどこにもねーからな。そろそろ慶太郎が迎えに来るな。金庫は閉めたし鍵もOKだな。もう5時だぞ。あいつも現場で倒れるんじゃねーか。喧嘩はつえーけど体は弱いよな。好き嫌いのしすぎだ!坊っちゃん育ちだからよ。俺はこの頃免停を食らっていたから慶太郎と俺の時間が合えば慶太郎が迎えに来てくれていた。まあ俺だってあいつが免停食らってた時に送り迎えしてやってたからな。そして迎えにきた慶太郎の後部座席に乗ってる明らかにお供え用の花に気づいた俺は慶太郎のもう1人の親父の命日が今日である事を聞き挨拶をしたいと思い慶太郎と共に墓参りに向かったんだ。墓を見た俺は驚いた。墓に刻まれている名前は結城壮一郎。享年36歳。嘘だろ!ふざけんなよ!なんだよ!結城さんこれが神の計らいですか!俺はあなたにどれだけ逢いたかったと思ってるんすか。神の計らいをずっと待ち望んでいたんすよ!でもこんな偶然ってあるんですか?慶太郎のもう1人の大切な親父があなただったなんて。あの日水族館に俺を連れて行ってくれた日は本当なら遠くから姿だけでも見ようと予定していた日ですよ。俺が付き合ってやるって偉そうな事を言ったのにあなたは姿を見る事は出来ないからと言った。塾に遅くまで通わされてると。あなたが心配していた息子は慶太郎だったんですね。確かにあなたの言う通り遅くまで慶太郎は塾に行かされていたそうです。あなたと逢えない代わりにあなたの大切な息子と俺を逢わせてくれたんですね。これが神の計らい。俺は受け入れます。慶太郎は俺にとっても大切な存在になりました。あなたの代わりに俺が慶太郎を守ります。結城壮一郎さん!あなたに出逢えて良かったです。俺達二十歳になります。俺にも優しくしてくれてありがとうございました!あなたの宝を俺が絶対守りますよ!
『お疲れ!大輔!』
『おう!お疲れ!慶太郎!どうしたんだよ?呼び出してもねーのにお前が店に来るなんて珍しいじゃん』
『うん。そうっすね。大輔にも成人のプレゼント渡しておこうと思って。俺もさっき貰ったとこなんだ』
『あー。結城壮一郎さんだ。そうだ。この人だ。ありがとう!慶太郎!店に飾ってていいか?』
『あぁ。いいよ。おまけの俺が写ってるけどな』
『お前!かわいいな!こんな頃もあったんだな。慶太郎!俺もう一回泣いてもいいか?もうこれで泣かねーから!っく、うっく』
『あー。俺だって泣いてきたよ。大輔!壮ちゃんが見てるから頑張ろうな!』
『っく、うっく、おう!あたりめーじゃん!っく、うっく』
結城壮一郎さん!あなたに逢えた気がしました。慶太郎を通して俺はすでに逢っていたんすよね。ありがとうございました!さようなら!もう星空の下では語れませんが今度は俺が星空に向かって語りますね。あなたは俺達を見てるんすよね。見ていて下さい。