星空の下で
俺は中学生になった。小学校の卒業式の後お義父さんと母ちゃんは離婚した。お義父さんは俺達の為に持ち家を養育費の代わりだと自分が出て行った。そしてまた母ちゃんは水商売をして稼ぎ俺達を育ててくれている。家賃がいらない分ラクだよって母ちゃんは言っていたけどそんな事はねーだろ。俺が大人になったらちゃんと返してやるよ。
『大輔!シュウ先輩に勝ったんだって?』
『あー。余裕でな。1つしか違わねーのに調子に乗ってんじゃねーよ』
『マジかよ!お前ヤバイな!まだ入学して4ヶ月だぞ!夏休み目前にケリつけるとは。まだジムには通ってんのかよ?』
『あー。通ってるぞ。俺は誰にも負けたくねーからな』
『大輔!雄一郎がやられた!他校だ!』
『はあ?謙也!どこのどいつだよ!雄一郎は?大丈夫なのか?』
『鼻折れたらしい。北中だよ!1つ上だ!』
『ふざけやがって。雄一郎の分は俺がお見舞いしてくる』
『俺も行くよー!大輔!俺ら仲間だろ!』
『俺も行くぜー!暴れちゃおうぜ!』
『あー!じゃあ!行くぞ!恭一!謙也!』
『おい!お前らどこ行くんだよー!楽しい事やるならちゃんと俺らも誘えよ!』
『ユズル!誠!遊びに行くぞ!暴れまくれ!』
『おっしゃー!授業ダルいと思ってたんだよなー楽しそうじゃん!』
『マジだ!恭一!火ある?貸してくれ?もうヤニ切れだよー』
『はいよ!誠!』
『お前らせめて学校出てからくわえろよ!』
『授業さぼって喧嘩に行く人がタバコくわえるなとか言うのか?大輔!めちゃめちゃだな!』
『うるせー!』
俺達は中学に入学して早々先輩にからまれ喧嘩慣れしていない俺らはソッコーぼこぼこにされたが俺は夏休み前にきっちりやられた分をやり返した。夏休みには俺の家に仲間が入り浸るようになり中学早々から抱えきれない意味不明な感情に持て遊ばれるかのようにタバコや酒、喧嘩に明け暮れ気づけばまた春がやってきた。
『大輔!ユズルのクラスに転校生来たらしいぞ!どんな奴か見にいかね?』
『はあ?俺ねむてー。恭一見て来いよ』
『あっそ!じゃあ雄一郎と見てくるわ!なんだったらやっちゃうかも知れないけどな。転校生の態度次第で』
昨日飲み過ぎたな。二日酔いか?恭一はやりすぎちゃうだろ。あーめんどくせー。あいつはどっかで見た事あるような。あーコンビニで俺がぶつかった時に一万落としていらねーって言いやがったボンボンじゃねーか。なんで今さら転校なんだ?坊っちゃんが荒れたか。恭一達がボコボコにした転校生は高見慶太郎。私立中学からの転校生だった。その後1ヶ月以上登校せず俺の中で存在を忘れつつあったがある日突然現れた慶太郎はあっという間にに恭一、雄一郎にお見舞い返しをし俺とやり合う程に喧嘩慣れしていた。俺より強くなっていたと言う方が正解だ。お前も相当負けず嫌いなんだな慶太郎。お前は俺以上に努力してきたんだろう。だから俺が負けて当然だな。お前は俺と同じなのか?死を恐れていない。むしろお前は死にたがっているじゃねーか。俺達の仲間に慶太郎が入るのにそれ程時間は必要ではなかった。何故だろう。お前の闇は深く哀しいそんな感覚を受けたよ。慶太郎。
『慶太郎!飯はどうする?食って帰るか?』
『あー食いに行こうぜ。俺が奢るよ』
『お前さー金使い荒いぞ!お小遣いいっぱい貰ってようがこの先何があるかなんてわかんねーんだから貯金しとけよ!飯は俺が作る。どうせ雄輔の分を作らなきゃいけないんだから何人分でも対して変わらねーんだよ』
『あーそう。俺貯金もあるけどな。チビの頃から使いきれなくて持て余していたのをもう1人の親父が貯金しなさいって通帳作ってくれたからな』
『マジか!お前どんだけ貰ってんだよ!』
『とりあえず毎月5万だな。足りない時はもうちょっと。俺は金で親に飼われてるだけだ』
『ふーん。そっか。隣りの芝生は青く見えるってそういう事か』
『はあ?何言ってんだ?大輔!とりあえず飯作ってくれるんだったら玉ねぎは俺無理だから!まあ基本野菜全般受け入れ不可なんだけど!よろしく!』
『作ってもらう分際で好き嫌い言ってんじゃねーよ!』
『あのなー!俺は本当に玉ねぎが大嫌いなんだ!あっ!タバコが切れた。コンビニ行ってくるわ。大輔はある?』
『俺はあるよ!じゃあ飯作っとくわ!』
『あー。よろしく!雄輔!コンビニ行こーぜ!なんでも買ってやるぞ!』
『慶ちゃん!ほんと?行くー!』
コンビニに先輩がバイトしてるから俺達は酒やタバコも余裕で買えた。慶太郎はいつもみんなの酒やタバコを買い与えつまらねーことで捕まるなと恭一やユズル達に言っていた。
『兄ちゃん!慶ちゃんがこんなにお菓子とジュース買ってくれたよ!』
『あー良かったな。礼は言ったか?もう飯だぞ!お菓子は後で食え』
『うん!言ったよ!慶ちゃん!飯だよ!』
『あーうん。うわっ!何これ?』
『はあ?焼き飯だよ!まさか坊っちゃんはこんなもの食った事ないのか?』
『坊っちゃんって言うんじゃねーよ!まあとりあえず人生初だ。あっ!意外と美味いじゃん!でも玉ねぎ入れてんだろ?俺ちっちゃくても絶対わかるんだよ!』
『うるせー!文句言わずに食え!俺達は毎日食う事も大変だった時期があるんだ!食えるだけでありがたいと思う心がお前には欠如しているぞ!慶太郎!』
『はいはい。もう1人の親父みたいな事を言わないでくれよ!お前は俺の親かよ!』
結城壮一郎さん!元気にしていますか?あれから2年が過ぎました。神の計らいはまだなんすかね?俺は高見慶太郎と言う新しい友達が出来ましたよ。俺はあの時ボンボンは甘ったれてるって言ったけど慶太郎を見ているとすさまじい辛さを感じます。やっぱり金があっても幸せとは限らないんすね。あなたが教えてくれた1つ1つがゆっくりだけどわかってきてるように思います。慶太郎の傷は深い。でもあえて聞こうとは思いません。言いたくない程思い出したくない事だとすれば俺も慶太郎と同じだからです。俺は今自慢出来るような中学校生活を送ってはいませんが今は流れに任せます。これは俺が弱いからだと言う事はわかっていますよ。でも今の俺では頑張れません。甘ったれてるのはもはや俺ですね。あなたが見ていると思って今も夜空は見上げていますよ。あなたに逢いたいです。
『大輔!シュウ先輩に勝ったんだって?』
『あー。余裕でな。1つしか違わねーのに調子に乗ってんじゃねーよ』
『マジかよ!お前ヤバイな!まだ入学して4ヶ月だぞ!夏休み目前にケリつけるとは。まだジムには通ってんのかよ?』
『あー。通ってるぞ。俺は誰にも負けたくねーからな』
『大輔!雄一郎がやられた!他校だ!』
『はあ?謙也!どこのどいつだよ!雄一郎は?大丈夫なのか?』
『鼻折れたらしい。北中だよ!1つ上だ!』
『ふざけやがって。雄一郎の分は俺がお見舞いしてくる』
『俺も行くよー!大輔!俺ら仲間だろ!』
『俺も行くぜー!暴れちゃおうぜ!』
『あー!じゃあ!行くぞ!恭一!謙也!』
『おい!お前らどこ行くんだよー!楽しい事やるならちゃんと俺らも誘えよ!』
『ユズル!誠!遊びに行くぞ!暴れまくれ!』
『おっしゃー!授業ダルいと思ってたんだよなー楽しそうじゃん!』
『マジだ!恭一!火ある?貸してくれ?もうヤニ切れだよー』
『はいよ!誠!』
『お前らせめて学校出てからくわえろよ!』
『授業さぼって喧嘩に行く人がタバコくわえるなとか言うのか?大輔!めちゃめちゃだな!』
『うるせー!』
俺達は中学に入学して早々先輩にからまれ喧嘩慣れしていない俺らはソッコーぼこぼこにされたが俺は夏休み前にきっちりやられた分をやり返した。夏休みには俺の家に仲間が入り浸るようになり中学早々から抱えきれない意味不明な感情に持て遊ばれるかのようにタバコや酒、喧嘩に明け暮れ気づけばまた春がやってきた。
『大輔!ユズルのクラスに転校生来たらしいぞ!どんな奴か見にいかね?』
『はあ?俺ねむてー。恭一見て来いよ』
『あっそ!じゃあ雄一郎と見てくるわ!なんだったらやっちゃうかも知れないけどな。転校生の態度次第で』
昨日飲み過ぎたな。二日酔いか?恭一はやりすぎちゃうだろ。あーめんどくせー。あいつはどっかで見た事あるような。あーコンビニで俺がぶつかった時に一万落としていらねーって言いやがったボンボンじゃねーか。なんで今さら転校なんだ?坊っちゃんが荒れたか。恭一達がボコボコにした転校生は高見慶太郎。私立中学からの転校生だった。その後1ヶ月以上登校せず俺の中で存在を忘れつつあったがある日突然現れた慶太郎はあっという間にに恭一、雄一郎にお見舞い返しをし俺とやり合う程に喧嘩慣れしていた。俺より強くなっていたと言う方が正解だ。お前も相当負けず嫌いなんだな慶太郎。お前は俺以上に努力してきたんだろう。だから俺が負けて当然だな。お前は俺と同じなのか?死を恐れていない。むしろお前は死にたがっているじゃねーか。俺達の仲間に慶太郎が入るのにそれ程時間は必要ではなかった。何故だろう。お前の闇は深く哀しいそんな感覚を受けたよ。慶太郎。
『慶太郎!飯はどうする?食って帰るか?』
『あー食いに行こうぜ。俺が奢るよ』
『お前さー金使い荒いぞ!お小遣いいっぱい貰ってようがこの先何があるかなんてわかんねーんだから貯金しとけよ!飯は俺が作る。どうせ雄輔の分を作らなきゃいけないんだから何人分でも対して変わらねーんだよ』
『あーそう。俺貯金もあるけどな。チビの頃から使いきれなくて持て余していたのをもう1人の親父が貯金しなさいって通帳作ってくれたからな』
『マジか!お前どんだけ貰ってんだよ!』
『とりあえず毎月5万だな。足りない時はもうちょっと。俺は金で親に飼われてるだけだ』
『ふーん。そっか。隣りの芝生は青く見えるってそういう事か』
『はあ?何言ってんだ?大輔!とりあえず飯作ってくれるんだったら玉ねぎは俺無理だから!まあ基本野菜全般受け入れ不可なんだけど!よろしく!』
『作ってもらう分際で好き嫌い言ってんじゃねーよ!』
『あのなー!俺は本当に玉ねぎが大嫌いなんだ!あっ!タバコが切れた。コンビニ行ってくるわ。大輔はある?』
『俺はあるよ!じゃあ飯作っとくわ!』
『あー。よろしく!雄輔!コンビニ行こーぜ!なんでも買ってやるぞ!』
『慶ちゃん!ほんと?行くー!』
コンビニに先輩がバイトしてるから俺達は酒やタバコも余裕で買えた。慶太郎はいつもみんなの酒やタバコを買い与えつまらねーことで捕まるなと恭一やユズル達に言っていた。
『兄ちゃん!慶ちゃんがこんなにお菓子とジュース買ってくれたよ!』
『あー良かったな。礼は言ったか?もう飯だぞ!お菓子は後で食え』
『うん!言ったよ!慶ちゃん!飯だよ!』
『あーうん。うわっ!何これ?』
『はあ?焼き飯だよ!まさか坊っちゃんはこんなもの食った事ないのか?』
『坊っちゃんって言うんじゃねーよ!まあとりあえず人生初だ。あっ!意外と美味いじゃん!でも玉ねぎ入れてんだろ?俺ちっちゃくても絶対わかるんだよ!』
『うるせー!文句言わずに食え!俺達は毎日食う事も大変だった時期があるんだ!食えるだけでありがたいと思う心がお前には欠如しているぞ!慶太郎!』
『はいはい。もう1人の親父みたいな事を言わないでくれよ!お前は俺の親かよ!』
結城壮一郎さん!元気にしていますか?あれから2年が過ぎました。神の計らいはまだなんすかね?俺は高見慶太郎と言う新しい友達が出来ましたよ。俺はあの時ボンボンは甘ったれてるって言ったけど慶太郎を見ているとすさまじい辛さを感じます。やっぱり金があっても幸せとは限らないんすね。あなたが教えてくれた1つ1つがゆっくりだけどわかってきてるように思います。慶太郎の傷は深い。でもあえて聞こうとは思いません。言いたくない程思い出したくない事だとすれば俺も慶太郎と同じだからです。俺は今自慢出来るような中学校生活を送ってはいませんが今は流れに任せます。これは俺が弱いからだと言う事はわかっていますよ。でも今の俺では頑張れません。甘ったれてるのはもはや俺ですね。あなたが見ていると思って今も夜空は見上げていますよ。あなたに逢いたいです。