星空の下で
『大輔!最近慶太郎やばくね?あいつ何かあったのかな?波乗りしてても波待ちしながらぼうっとしてる。いい波来ても全然乗らねー。あいつ上手いのに』
『親父が死んだらしい。実の親父じゃない方だけど慶太郎にとっては心の支えだった大切な存在だったんだと思うぜ。ユズル!慶太郎をもっと誘って海へ連れていけ。あいつ海好きだからな。お前と同じで』
『おう。でも海行ってもあいつ笑わくなったぞ。普段も笑う事はないに等しいじゃん。海に行った時だけはいい顔してたんだけどな』
『あぁ。あいつが心から笑う所なんか見た事がないな』
『もっとやばいのは絵里につきまとわれてる事だ。あの女はいかれてるからな。慶太郎は相手にしてないと思うけど。美樹ちゃんとも別れたみたいだし。まあ元々遊びだって慶太郎は言ってたけど』
『慶太郎が本気になる女はあーゆう女達じゃねーだろ』
俺達が心配していた頃慶太郎はシンナーや薬物で狂った女がパクってきた原チャを処分してくると家を出たまま帰ってこなかった。慶太郎!お前!次はあとがねーんだぞ!鑑別所に入った慶太郎が出て来るのに半年はかかり俺達は中学3年になっていた。鑑別所を出てきた慶太郎の目はさらに鋭くなっており鑑別所で時間の許す限り鍛えていたのであろう慶太郎の筋力は俺を超えていた。いつでも誰でもいいから戦いたい。わけのわからない怒りの感情をコントロールするのを完全に失った慶太郎は喧嘩に明け暮れていた。結城壮一郎さん!俺では慶太郎を救う力はありません。どうして俺達は逢えないんですか?また俺にアドバイスして下さいよ。神の計らいっていつなんすか!いい加減待たせ過ぎじゃないっすか。俺は親友を失いたくありません。早く星空の下で大人のアドバイスを俺に下さい。
『慶太郎!ちょっとはおとなしくしとけよ!お前次は年少だぞ!』
『大輔!それがどうした?俺には関係ねーよ。どこだっていいよ。どうせ生きてんだろ』
『よくねーよ!俺らが困るんだよ!』
『あっ!雄輔!お前どうした?誰にやられたんだよ!』
『慶太郎さん!大丈夫っすよ』
『だから誰だよ!大輔の弟だとわかって手出してんのか?なめちゃってくれてるね』
『慶太郎!いいじゃねーか。雄輔ももう自分で戦わなきゃいけねーんだ。俺らは来年卒業するんだからいつまでも守ってやってたら雄輔の為にならねー!自分で強くならねーとな』
『大輔!俺は嫌だ!二度と手出し出来ねーぐらいやっちまえばいいだろ!雄輔!誰だよ?』
『2年の先輩っす。でも兄貴の言う通り自分できっちりやり返します。だから俺を鍛えてください!慶太郎さん!空手を教えてください!』
『わかったよ。でも次もお前がやられたら今度こそ俺がやるぞ!いいな!雄輔!』
『はい!』
『慶太郎!お前は自分の弟を守れよ』
『俺の弟は俺と違ってまともに育ってるようだから喧嘩なんかと縁がねーよ。私立中学に通う奴らなんかたいした喧嘩にならねーしな。インテリはくだらねー陰湿なお遊びしか出来ねーんだよ。お互い命はった喧嘩なんかじゃねー。じゃれあい程度だよ。お前の弟の方が心配だ』
雄輔は慶太郎に仕込まれ自分の身ぐらいは守れるぐらいになった。そして中3の夏俺達は恭一達と一度揉めた奴らのグループがお見舞いにやってきて大乱闘となり俺はあとがない慶太郎をどうしても守りたかった。お前と一緒に卒業したいんだよ!慶太郎!俺は捕まっても鑑別止まりだ。だけどお前は違う。俺は仲間全員で卒業式に出たい。だから慶太郎!お前は逃げきってくれ。いつもお前は俺の忠告を聞かねーから苦労したよ。俺がどんだけ心配してるかお前わかってねーだろ!お前を失いたくねーんだよ!お前を結城壮一郎さんに逢わしたいよ。そしたら絶対あの人はお前を助けてくれるって思うんだ。俺がそうだったように。そして俺は中3の夏慶太郎が体験してきた鑑別所に入れられた。慶太郎!頼むから俺が出てくるまで無茶するなよ。恭一、ユズル、謙也、誠、雄一郎!慶太郎を頼む。俺がいない間慶太郎を守ってくれ。お前らは俺が信頼する仲間だ。
『いってぇー。すいません』
『お前はどこへ来てるかわかってるのか!』
『はい。いちお。わかってはいますよ。自由を奪われた鑑別所でしょ。いてぇー』
慶太郎!お前何も言わなかったけどけっこうきついじゃねーかよ。こんなとこにずっと居たくねー。早く外へ出たい。半年の我慢だ。俺が作った飯の方が断然美味かっただろ?なあー慶太郎!俺達どんな大人になってんだろうな。五年後は二十歳だ。ずっと大切なモノは変わらないまま失う事なく大人になろうぜ。失っちゃいけない心ってあると思うんだ。汚ねー大人だけにはならねーでおこう。ガキだって言われてもな。
『明日とうとう卒業かあー!なんかあっという間の3年間だったな!大輔!慶太郎は2年間か?でもなんかずっと昔から知ってたみたいだ』
『そうだな!恭一。だって俺ら慶太郎とは小6の時に出逢ってはいたからな!一万円をいらねーとか言いやがった時はムカついたけどな。これだから坊っちゃん育ちは金のありがたみがわかってねーなって思ったよな。まあ今も変わらねーか慶太郎!』
『うるせーよ!俺明日卒業式出れるんだな。初体験だ。ありがとう!大輔!』
『はあ?初体験なわけねーだろ。小学校卒業してきただろ』
『あー卒業はしたけど卒業式には出てねーんだ。だから人生初の卒業式だ』
『そうか。感動して泣くなよ』
『泣かねーよ。俺はもういっぱい泣いてきたからね。涙も枯れたよ。尻叩かれてな』
『尻叩かれたぐらいで泣くんじゃねーよ』
『いてぇーんだよ!バカ!』
慶太郎!卒業おめでとう!お前が抱えてる闇の中で涙が枯れた事はわかってるよ。でもその闇はあえて聞かねーよ。とにかくお前と一緒にこうして仲間全員で中学を卒業出来る事が嬉しい。神の計らいはまだないけどとりあえずこの小さな幸せに感謝しよう。神様!俺達全員揃って卒業させて頂きありがとうございます!
『親父が死んだらしい。実の親父じゃない方だけど慶太郎にとっては心の支えだった大切な存在だったんだと思うぜ。ユズル!慶太郎をもっと誘って海へ連れていけ。あいつ海好きだからな。お前と同じで』
『おう。でも海行ってもあいつ笑わくなったぞ。普段も笑う事はないに等しいじゃん。海に行った時だけはいい顔してたんだけどな』
『あぁ。あいつが心から笑う所なんか見た事がないな』
『もっとやばいのは絵里につきまとわれてる事だ。あの女はいかれてるからな。慶太郎は相手にしてないと思うけど。美樹ちゃんとも別れたみたいだし。まあ元々遊びだって慶太郎は言ってたけど』
『慶太郎が本気になる女はあーゆう女達じゃねーだろ』
俺達が心配していた頃慶太郎はシンナーや薬物で狂った女がパクってきた原チャを処分してくると家を出たまま帰ってこなかった。慶太郎!お前!次はあとがねーんだぞ!鑑別所に入った慶太郎が出て来るのに半年はかかり俺達は中学3年になっていた。鑑別所を出てきた慶太郎の目はさらに鋭くなっており鑑別所で時間の許す限り鍛えていたのであろう慶太郎の筋力は俺を超えていた。いつでも誰でもいいから戦いたい。わけのわからない怒りの感情をコントロールするのを完全に失った慶太郎は喧嘩に明け暮れていた。結城壮一郎さん!俺では慶太郎を救う力はありません。どうして俺達は逢えないんですか?また俺にアドバイスして下さいよ。神の計らいっていつなんすか!いい加減待たせ過ぎじゃないっすか。俺は親友を失いたくありません。早く星空の下で大人のアドバイスを俺に下さい。
『慶太郎!ちょっとはおとなしくしとけよ!お前次は年少だぞ!』
『大輔!それがどうした?俺には関係ねーよ。どこだっていいよ。どうせ生きてんだろ』
『よくねーよ!俺らが困るんだよ!』
『あっ!雄輔!お前どうした?誰にやられたんだよ!』
『慶太郎さん!大丈夫っすよ』
『だから誰だよ!大輔の弟だとわかって手出してんのか?なめちゃってくれてるね』
『慶太郎!いいじゃねーか。雄輔ももう自分で戦わなきゃいけねーんだ。俺らは来年卒業するんだからいつまでも守ってやってたら雄輔の為にならねー!自分で強くならねーとな』
『大輔!俺は嫌だ!二度と手出し出来ねーぐらいやっちまえばいいだろ!雄輔!誰だよ?』
『2年の先輩っす。でも兄貴の言う通り自分できっちりやり返します。だから俺を鍛えてください!慶太郎さん!空手を教えてください!』
『わかったよ。でも次もお前がやられたら今度こそ俺がやるぞ!いいな!雄輔!』
『はい!』
『慶太郎!お前は自分の弟を守れよ』
『俺の弟は俺と違ってまともに育ってるようだから喧嘩なんかと縁がねーよ。私立中学に通う奴らなんかたいした喧嘩にならねーしな。インテリはくだらねー陰湿なお遊びしか出来ねーんだよ。お互い命はった喧嘩なんかじゃねー。じゃれあい程度だよ。お前の弟の方が心配だ』
雄輔は慶太郎に仕込まれ自分の身ぐらいは守れるぐらいになった。そして中3の夏俺達は恭一達と一度揉めた奴らのグループがお見舞いにやってきて大乱闘となり俺はあとがない慶太郎をどうしても守りたかった。お前と一緒に卒業したいんだよ!慶太郎!俺は捕まっても鑑別止まりだ。だけどお前は違う。俺は仲間全員で卒業式に出たい。だから慶太郎!お前は逃げきってくれ。いつもお前は俺の忠告を聞かねーから苦労したよ。俺がどんだけ心配してるかお前わかってねーだろ!お前を失いたくねーんだよ!お前を結城壮一郎さんに逢わしたいよ。そしたら絶対あの人はお前を助けてくれるって思うんだ。俺がそうだったように。そして俺は中3の夏慶太郎が体験してきた鑑別所に入れられた。慶太郎!頼むから俺が出てくるまで無茶するなよ。恭一、ユズル、謙也、誠、雄一郎!慶太郎を頼む。俺がいない間慶太郎を守ってくれ。お前らは俺が信頼する仲間だ。
『いってぇー。すいません』
『お前はどこへ来てるかわかってるのか!』
『はい。いちお。わかってはいますよ。自由を奪われた鑑別所でしょ。いてぇー』
慶太郎!お前何も言わなかったけどけっこうきついじゃねーかよ。こんなとこにずっと居たくねー。早く外へ出たい。半年の我慢だ。俺が作った飯の方が断然美味かっただろ?なあー慶太郎!俺達どんな大人になってんだろうな。五年後は二十歳だ。ずっと大切なモノは変わらないまま失う事なく大人になろうぜ。失っちゃいけない心ってあると思うんだ。汚ねー大人だけにはならねーでおこう。ガキだって言われてもな。
『明日とうとう卒業かあー!なんかあっという間の3年間だったな!大輔!慶太郎は2年間か?でもなんかずっと昔から知ってたみたいだ』
『そうだな!恭一。だって俺ら慶太郎とは小6の時に出逢ってはいたからな!一万円をいらねーとか言いやがった時はムカついたけどな。これだから坊っちゃん育ちは金のありがたみがわかってねーなって思ったよな。まあ今も変わらねーか慶太郎!』
『うるせーよ!俺明日卒業式出れるんだな。初体験だ。ありがとう!大輔!』
『はあ?初体験なわけねーだろ。小学校卒業してきただろ』
『あー卒業はしたけど卒業式には出てねーんだ。だから人生初の卒業式だ』
『そうか。感動して泣くなよ』
『泣かねーよ。俺はもういっぱい泣いてきたからね。涙も枯れたよ。尻叩かれてな』
『尻叩かれたぐらいで泣くんじゃねーよ』
『いてぇーんだよ!バカ!』
慶太郎!卒業おめでとう!お前が抱えてる闇の中で涙が枯れた事はわかってるよ。でもその闇はあえて聞かねーよ。とにかくお前と一緒にこうして仲間全員で中学を卒業出来る事が嬉しい。神の計らいはまだないけどとりあえずこの小さな幸せに感謝しよう。神様!俺達全員揃って卒業させて頂きありがとうございます!