想い出、そばに(仮)
Ⅲ
【side 翔太】
雪那が休み始めて、一週間が経った。
こんなことは、はじめてだ。
あいつが、俺のメールも電話も無視。
会ってもくれない、なんて。
ため息しかでない。
「市ヶ谷くん、元気、ないね。やっぱ、お姫様がお休みなのが原因?」
「あ、坂本先輩」
「図星、でしょ」
「…恥ずかしながら」
「もう、練習休んじゃえば? いいよ、別に。部長には言っとくし」
「いえ、出ます。それより、ひとつお願いしたいことがあるんですけど…」
坂本先輩は俺の頼みに二つ返事でOKしてくれた。
【side 翔太 end】