想い出、そばに(仮)
「雪那、起きてるか」
バタン、と部屋の扉が開いた。
「…翔ちゃん? もう、そんな時間なの?」
「今、七時」
あれ。
まだ、暗いと思ってた。
「ごめんなさいっ」
慌ててベッドから降りる。
「あ、ちょっ…雪那っ」
足がもつれた。
「ばかっ。ただでさえ見えてないんだから、慌てないで」
転びそうになった私を翔ちゃんが支えてくれた。
そのまま、翔ちゃんは私の手を取って、私を下の部屋に連れて行ってくれた。私を持っていない方の手には私の鞄と制服がある。
「準備終わるまで、雪那の部屋にいるから。終わったら呼んで」
翔ちゃんは私を無事リビングまで届けると、いつものようにそう言った。
わたしは頷く。