お星さまに願いを!
落ち着け楓子!とりあえず、冷静にならなくちゃ。

見る限り、目の前の男は悪人ではない、と思われる。

パジャマもクマさんだしね。

私はなるべく自分を落ち着かせて、もう一度男の方を見て問いかけた。

「あの、私はどうしてここに?なぜ私の名前を知っているんですか?アナタはいったい誰なんですか?」

なぜクマさん柄のパジャマ?と聞きたいのは、とりあえず我慢した。

すると男は一瞬目を見開き、「え、本当に?」と小さく呟いたかと思うと、

「うん、なるほど!」と何かを納得している。

男のさっきまでの不安そうな表情はすっかり消え、くしゃっとした笑顔になる。
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