お星さまに願いを!

「えっ、ちょっ、待って下さい、西山さん!!」

西山さんは玄関へまっしぐらだ。

私をこのままにして行くわけ??

私は西山さんを追いかけた。

すると、西山さんは笑顔で振り返った。

急いでいても笑顔なんだなぁ。

「楓子ちゃん、西山さんじゃなくて、『翔平』って呼んでね!あ、あと今夜はオムライスが食べたーい。よろしくね!」

西山さんはそう言って玄関のドアノブへ手をかける。

急に名前で呼べって言われても困るし、おまけに夕ご飯のリクエストをされたよ。

「ねぇ、待って下さいって!」

と、もう一度声をかけたら、西山さんが「あっ、忘れ物」と言って、再びこちらに戻ってきた。

「えっ?」
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