ひとつ、屋根の下で
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微かな温かさを残して、彼の唇が離れていった。
「……好きだよ」
甘い、甘い、彼の言葉に。
声に。
かあっと顔が熱くなって。
ドキドキと速いままの鼓動を止めることもできなくて。
私はただ、恥ずかしくて、だけど嬉しくて、彼の言葉に俯きながら小さく頷いた。
────私も、好き。
そう、心の中で呟いた。
彼と。
先輩と、こうしてキスをするのは、まだ3回目。
私のファーストキスは、先輩。
1か月前、屋上で優しく唇を重ねてくれた。
触れるだけのキスは、温かくて、優しくて。
恋愛経験なんかほとんどない、ウブでコドモな私には、そんなキスでも物足りなさなんて感じる余裕はまだない。
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