ひとつ、屋根の下で


「暴れるの禁止!」


「きゃあっ」


何が起こったのか自分でもわからなかった。


掴まれた手首をグイッとうしろに押されたかと思うと、背中がドンとドアに着いた。


その衝撃に一瞬目を瞑り、そして再び目を開けた時にはもう、目の前には端正すぎる凌の顔があって。



こ、これは!


俗に言う壁ドンですね!


そういえば、初めてお風呂場で会った時もこんなことされたなぁ、なんてふと思い出した。



……って呑気に回想してる場合じゃない!



「なにすんのっ」


「だから、トキメキ不足なんだって」


「だからなんなの」


「……抱きしめていい?」


「い、嫌!」


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