ひとつ、屋根の下で


「最低ですね!!」


「えっ!?いや、あの。千依にはこのこと」



いきなり叫んだ私に驚いたようだった先輩。


おどおどと口止めをしようとするその度胸のなさもなんか嫌!



……でも。


ホントなら、すぐさま千依に報告して、あんな男今すぐ別れなよ、って言いたいけど!



「……彼氏が浮気してる、なんて、言えるわけないじゃないですか……!」



あんなに嬉しそうにしてた千依に、そんなこと、言えない。



「えっ!?浮気!?」


「なにとぼけようとしてんですか。白々しい!!」



チューまでしといてっ!


そう叫ぶ私を、先輩は驚いたように見ていた。



「う、浮気じゃないよ!!……いや、確かに前まではそういう関係だったけど、でもほら、俺彼女いるし!!」



自信満々に言う先輩。


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