ひとつ、屋根の下で
「実は、こうなったの3人目なんだ」
「はー、そりゃああなたのおとぼけぶりだったらそうでしょうね……、って3人目!?」
どんだけ女の子はべらせてたの!?
「まだひとりも関係を切ることに成功してなくて」
しょぼん、と悲しげに視線を落とした先輩。
そういうことするから女の子が寄ってきちゃうんじゃ……!
この人、素で母性本能くすぐるタイプだ……!!
言ってることは最低なのに、なんだか憎めない。
「あ、そうだ!」
急に笑顔になった先輩。
ニコニコと私を見る。
「な、なんですか……?」
戸惑いながらも訊くと、先輩は悪びれもせずに、言葉を紡いだ。
「よかったら、手伝ってくれないかな?」