ひとつ、屋根の下で
絵具らしきものが至る所についたエプロンを着ていたナオちゃん。
ついでに白い頬にも青色の絵具が付いていた。
そんな状態で出迎えられたことなんてないから、私は思わず絵描きかどうかなんて訊いてしまっていたのだ。
「それはこれから説明するから!とにかくあがってあがって」
快活にそう言って、ナオちゃんは私の持っていたバッグを軽々と持ち上げると、スタスタと部屋に消えていった。
靴を脱ぎ、用意されていたスリッパを履く。
「!」
何だこのスリッパ!
ふわふわすぎる!!
「沙波ちゃーん?」
「あ、ハイ!!」
いかんいかん、スリッパに感動してる場合じゃなかった!
私は慌ててナオちゃんの後を追った。
「ここ座って」
広いリビングに通されて、私は指定された椅子にちょこんと腰かけた。