ひとつ、屋根の下で
リスを見ながら、そんなことを考えていたらふっ、と近くで笑われた気配がした。
思考を途中でやめて隣に立つ凌を見上げると、ばっちり視線がぶつかる。
「……何?」
「いや?」
何か笑われるようなことをしただろうか、と思い訊いてみても、何かを含んだような笑みに誤魔化されてしまう。
……なんなの、もう。
私には凌の考えていることが全然わからない。
そんな自分が、少し悲しい。
心の中でひっそりとため息を吐いて、私は視線をリスたちに戻したのだった。
それから、飽きずにリスを眺めること数分後。
いつまででも居座れるくらいにリスは可愛かったけれど、リスたちが食事をする場所がよく見える、このベストポジションをずっと陣取っているわけにもいかない。
私と凌は順路を示した矢印どおりに次の動物のもとへと歩き出した。