ひとつ、屋根の下で
また傷付くのかもしれない。
また泣くのかもしれない。
……だけど。
もしもそんな未来が待っていたとしても、私は自分の想いが凌の優しさに沈んでいくのを止めることなんてできなかった。
どこまでも深みにはまっていくような、こんなにも自分を見失いそうな感情は初めてで。
微かに残っていた先輩への恋心が、瞬く間に凌への気持ちに飲み込まれて、泡になって消えてしまうような心地がした。
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