ひとつ、屋根の下で
……気のせい?
誰かに見られているような気がしたのは。
誰かが、私の後ろにいるような気がしたのは。
……ただの、思い過ごしだろうか。
そう思ったけれど、やっぱりなんだか嫌な感じがして私は歩くスピードを速めた。
この前みたいなことにはなりたくない。
もう二度と、あんな怖い目にはあいたくない。
この前写真を撮られたのは、きっと通り魔的なものだ。
『私』が狙いだったわけじゃなくて、きっと若い女の子だったら誰でもよかったんだ。
……そう思ってなきゃ、ひとりでで歩くなんて怖くてできないよ。