ひとつ、屋根の下で
「……え?」
思わず目を瞠る。
もう撮らない?
え?
でも私、やめろなんて一言も言ってないのに。
むしろ、また撮ってくださいって……。
「支倉さん、次お願いします」
「あっ、ハイ!!」
訳が分からないまま思考がぐるぐるしている間に呼ばれて、私は慌ててカメラの前に立った。
……それでも、カメラの前に立ったら、さっきまで考えていたことなんて全部吹き飛ぶ。
カシャ、と響くシャッターの音が心地いい。
北岡さんとはまた違った、高橋さんのリードがすごく動きやすかった。