ひとつ、屋根の下で
涙を流す私と、そんな私を抱きしめる凌。
背景が星空なのを見ると、屋上。
……これ、千依と先輩を失ったと思った日だ……。
うちの学校は外部から講師を呼ぶことが多いから、学校内に入るのは多分簡単だったと思う。
……でも、こんなふうに居場所を探り当てられていたと思うと、やっぱり気持ちが悪かった。
「……私、いつもこんな顔してたの?」
写真から顔を上げ、瀬野くんに訊ねる。
すると、質問の意味を測りかねたように瀬野くんが私を見つめ返してきた。
「……私いつも、今日にでも世界が終わっちゃうような顔、してたの?」
「……いつも、ではないけど、そうだね」
「……そっか」
コンコン、と縦にした写真をテーブルに打って揃え、私は鞄にしまった。
ここじゃ捨てられないもの……。