ひとつ、屋根の下で
「……ほら、ちゃんと布団掛けて」
凌の部屋に辿りついて、ベッドに凌を連れていく。
さっきよりも身体がつらいのか、微かに息が上がっていた。
熱、上がっちゃったかな。
「……ごめんなさい。私のせいで」
「……謝るなよ。俺が勝手にしたことだろ」
布団から伸びてきた、いつもより熱い凌の掌が、ゆっくり私の頬を撫でた。
「……びっくりしたけど、来てくれて嬉しかったよ。ありがとう、凌」
……好きだよ。
その言葉の代わりに、私は精一杯のありがとうを告げた。
私の言葉に、凌は一度目を細めて優しく微笑むと、静かに目を閉じた。
すぐに、寝息が聞こえてくる。