ひとつ、屋根の下で
……凌の手を離そうと決めた、12月。
あれから、4ヵ月の日々が過ぎた。
凌は、熱を出した2日後にはすっかり元気を取り戻していて。
『しばらく、漫画の手伝いはできない』
元気になった凌に、私はそう言った。
はじめは難しい顔をして、納得してくれなかったけれど、
これからは落ちることを恐れないでオーディションもちゃんと受けたいから、演技とかモデルとか、もう一度いちから勉強したい、
そう言ったら、凌は驚いた顔をして、渋々頷く、どころか。
ふわりと笑って、頑張れよと背中を押してくれたんだ。
凌の、その微笑みが。
その、力強い言葉が。
私に、凌の温かい手を離す勇気をくれたんだ。