ひとつ、屋根の下で
ねぇ、凌。
甘い時間なんて、今まで私たちにはなかったよね。
いつだって、私は傷を抱えていたから。
自業自得だって言われればそれまでだけど、それでもあの頃の私には、ひとりじゃ抱えきれないくらい深い傷だった。
乗り越えられたのは、傷を強さに変えられたのは、凌がいてくれたからだよ。
凌。
本当に、ありがとう。
そして、どうかこれからもずっと、この手を離さないで。
これから、たくさんの白いページに、ふたりで一緒に歩んだ時間を描いていこう。
ずっと、キミの傍で。
この、場所で。
ひとつ、屋根の下で。
*END*