ひとつ、屋根の下で
私はそう思いながらも、次の話を読むように促してくる高槻くんの勢いに仕方なく次の紙を手に取る。
「却下っ!」
「おまえ、途中で読むのやめるなよ!」
せめて最後まで読んでから判断しろよ、なんて言うけれど。
続きが読みたいと思わせられないものなんてその時点でアウトだと思うの!
「ていうか、これって私がする仕事?なんていうんだっけ、編集部の担当?さんとやることじゃないのこれ」
幾つ読んだか分からなくなってきた頃、私は半ばげんなりしながらそう訊ねた。
すると、高槻くんは私が却下して散らかした紙を拾う手を止め、顔を上げた。
「無理無理。俺の担当のアドバイス、絵に特化してるから。ストーリーは全然つかえない」
「……それ、大丈夫なの?」
「多分担当としてはハズレなんだろうな。べつにいいけど。普通にいい人だし」
そういう問題?