ひとつ、屋根の下で
「つか、文句言う暇あったら次読めよ!」
「はいはい」
読み始めてどれくらい経っただろうか。
今までは読むことを途中で諦めていた私が、ようやく最後のページまでめくれる話があらわれた。
主人公の男の子を中心に繰り広げられていくであろう三角関係が、王道ながら続きが気になると思わせる魅力があった。
「これ、最後どうなるの?」
顔を上げてそう訊くと、高槻くんはニヤッと笑う。
「どうなると思う?」
「……やっぱこっちの子とくっつくのかな」
元気な女の子と、大人しめ美少女。
私は前者を指差した。
なんとなく、そっちが王道なのかな、なんて思って。