ひとつ、屋根の下で


「おまえ……、ホントに戸倉と付き合ってんの?なにそのウブな反応」


「あんたがいきなり、ぎ、ぎゅってするから!」



笑われた恥ずかしさに、かあっ、と顔が熱くなる。



すると、高槻くんは急に笑いを引っ込めた。



「……今のやばい」


「へ」


やばいって……、何が?



「戸倉が彼女の親友なんてリスク犯してまでお前を遊びの相手に選んだの意外だったけど、確かにちょっと気持ち分かったかも」


「さっきから何言ってるの?」


「……なんでも?……とにかく、始めるか」


「だから始めるって何を?恋人ごっこって何なの?高槻くんくらいカッコよかったら彼女の10人や20人」


「おまえ単位おかしいだろ」


「あ、ごめん間違えた。100人や200人」


「そっちじゃねーよ」


「え?じゃあ」



1000に……、うん、これ以上言うとなんか空しくなるからやめよう。

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