ひとつ、屋根の下で
「きゃあっ」
どんっ、という衝撃が廊下に出た瞬間身体を襲い、私は思わずそう声を上げていた。
丁度廊下を歩いてきた人影に気付かずに、思い切りぶつかってしまったのだ。
「ご、ごめんなさい!」
私が周りを見ずに廊下に出てしまったことが原因だと思って、ぶつかった相手に慌てて謝る。
すると。
「げ、まだいたのか」
というセリフが頭上から降ってきて、私は思わず顔を上げていた。
……な、に、この人…!
ぶつかった人物の顔を見て、私は目を瞠った。