ひとつ、屋根の下で
笑うと、トンっと頭を小突かれた。
「痛」
「びっくりさせんなよ」
「えー?だってそういうキャラでしょ?莉帆って」
言うと、凌くんは苦笑した。
「……おまえほどキャラ掴めてなかったみたいだ」
作者なのに!?
驚いて目を瞠る。
「お前のおかげでかなり莉帆も希美もイメージできたわ」
「ほんと!?」
「ホントホント。……じゃ、ついでにもうひとつ」
そう言って凌くんが不意に私の方に手を伸ばしてきた。
「?」
自分の演技を初めて褒められたことに浮かれて、こいつが変態野郎だってことがすっかり頭から抜けてた私。
両手が伸びてきて、その手が私をギュッと包みこんでようやく、緩やかに抱きしめられていることに気付いた。
「っ!?な、やめてよ」
「うーん、細すぎて抱き心地あんまよくない」
「!?」
勝手に抱きしめておいて、失礼!!